【食べろく】麺屋 猪一[京都府京都市下京区]
京都市の中心部、四条通りから寺町通りを南下してくると、右手に見える業務スーパー四条寺町店を過ぎてすぐの複合テナント1Fにある「麺屋 猪一」は、昨年オープンしたばかりの新しいお店だ。
平日の夕方18時半頃到着、並びは先客1名のみだったが、キャパ10名程の狭い店内のほとんどが女性客で、食べるのが遅いのか、想像しているより案内までに時間がかかった印象。
しかし、ある程度待ち客が増えた時点で店員さんが「お待たせしてすみません。」と声をかけ、メニューも先に聞いて下さり、その対応がとても礼儀正しく、丁寧な対応だったため、悪い印象は全く感じなかった。
店内は新しい店ということもあるが、明るく清潔感漂う白の塗り壁を基調としたおしゃれな内装で、BGMにはJazzが流れ、まるでCafeのような雰囲気。
女性客が多いのも納得だ。
そのおしゃれな雰囲気とは、まったくもって不釣り合いな体育会系・高田延彦風イケメンのご店主と、同じく体育会系の先ほどの愛想よい店員さんの2名で切り盛りされているが、これがまたお2方とも腰が低く、丁寧な接客で、よいほうに見た目を裏切ってくれる。
ただひとつ残念なのは、提供スピードが相当遅い。
前述の女性が多いから食べる速度が遅いのかと、偏見の目で見た自分を恥じる。
仕事が丁寧といえば聞こえがいいが、単純に動作に無駄が多く、提供速度が遅いため、回転が悪いのである。
店外並び時間中に、注文をとっていただいたが、他の店なら入店後に注文してももっと早く提供されるのではないかというほど時間がかかったのである。
メニューはたくさんあるように見えるが、カエシが2種類あるだけで、支那そば、鶏そば、和牛そばの違いは具材の違い。
チャーシューが豚か鶏、もしくは牛バラ肉が乗っているかの違いだけだ。
で、待ちに待った鶏そばの白…800円
添えてある小皿は柚子皮だ。
スープは美しい白湯だが、見た目から感じるほど繊細さはない。
どちらかというとしっかり鶏ガラ多めでこってりめにとられたスープに、濃いめのカエシで濃厚な味付けになっている。
柚子皮は好みで投入とのご説明を頂いたが、投入しても風味にそれほど差異はない。
麺は22番細麺。
かん水は少なく、茹でも固め。
これで提供に時間がかかるのが不思議である。
鶏チャーシューはかなりレア気味で、鶏タタキのよう。
個人的には生肉のサクッとした歯ごたえもよく、旨いと感じたが、好みの分かれるところではある。
他の具材に関しては二種入ったネギの押しが少々強めだが、極太メンマや、メニューの記載によると産地にこだわったらしいたまごもおいしくいただけた。
ちなみに同行者が注文した和牛そばの黒…950円
こちらは残念ながら牛丼を食べているような味付け。
完全なはずれメニューだ。
もちろんはじめて訪問した店で使用することはないが、調味料類。
京都の下京区という立地で勝負しているお店なので、ある程度のクオリティがなければ話にならず、当然ここも、そういった面ではかなりハイレベルなお店ではある。
素晴らしい接客対応もそうだが、例えば麺の丼は熱い麺が冷めないようにしっかり温められ、水を提供するグラスは真空断熱のステンレスグラスを使用し、キンキンに冷えた水を提供されていた。
麺の器、温度にこだわりを持つ店主は多いが、水までしっかり温度管理するほど細やかな気配りが出来る店は多くはないだろう。
まだお若いご店主だったので、今後伸びる店だと思う。
今後に期待したい。

ろくちゃん

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