【ハッピーバンク事件】無限連鎖講(ネズミ講)の仕組み【詳細】

2017年12月26日

ハッピーバンク事件をご存じだろうか?

ウィキペディアで「無限連鎖講」で調べると「国内の代表的な事件」としてハッピーバンク事件の記述があるが以下のような簡易な解説があるだけである。

1989年に中高生の間で流行、小遣い銭稼ぎ感覚で参加者を募り、同種の行為が犯罪であることを知らない青少年を巻き込んで社会問題と成り、破綻。

出典 : ウィキペディア 無限連鎖講

無限連鎖講とは、いわゆるネズミ講のことで、違法、合法は別としてマルチ商法マルチまがい商法ネットワークビジネスMLMなどと呼ばれる要は人脈のネットワーク自体、人と人とのつながり自体をお金に換えるというビジネスの考え方の基礎となっているシステムです。

で、なぜ今ハッピーバンクということなんですが、リアルの後輩にネズミ講を説明してくれと言われて、「ハッピーバンク知らんの?」って聞いたら「知らん!!」という答えが返ってきて、「へー、年齢10コも違うと知らんのやー」とか思いながら「ググれ」って言いましたところ、もう完全に風化しとるんかして情報がネットにまったくなかったということです。

で、がっつりハッピーバンク世代で当事者(被害者?加害者?)のわたくしろくちゃんが、無限連鎖講の防止に関する法律、詐欺罪ともに時効を過ぎていることを弁護士先生に確認の上でご説明したいと思います!!

以下、作り話ですのでよろしこ!!

この世にインターネットも携帯電話も普及していない1990年ごろのお話です。

ある日、バイト帰りのろくちゃんのポケットベルにお友達から連絡が!!
「4951」
これは、数字しか打てないポケベルの語呂合わせ文章で「至急来い!!」を意味し、命令口調ではありますが「面白い話があるから家に来てくれYo!!」的な連絡です!!

wktkしながらお友達の家に行くと、こういうことでした
「めっちゃ儲かる話があるけど聞く?」
「そら聞くやろ…」と思っていると続けてお友達は言いました
「この話聞きたかったら3万円いるんやけど、その代り半月後には1千万円稼げるで!!」と…
さらにお友達は続けます。
「最初に払う3万円はすぐ戻ってくる、早かったら今日、遅くても明日には戻ってくるで!!しかも1週間ぐらいで30万円入ってくるで!!」

「はああぁぁぁぁ3万円が半月で1,000万円???1週間後に30万???なんやその胡散臭い話!!」と今なら思いますが当時まだ十代のろくちゃん、1千万円稼げるという胡散臭い話に興味津々、しかも財布には偶然先程もらったばかりのバイト代3万円が!!

こうやってろくちゃんはハッピーバンクに引きずり込まれたのでしたとさ。

ハッピーバンクの具体的な内容

※注 ここに記載の内容は犯罪です!!絶対にマネしなように!!

まずお友達から2枚のコピー用紙を15,000円で購入することからはじまります。

1枚の紙は、おそらくワープロで作られた説明書のようなもので、上部に「HAPPY BANK」のタイトル文字、そしてこのシステムのごく簡単な説明が書かれています。

もう1枚の紙は、10人分の人の名前と住所が書かれた名簿になっています。

説明書に記載の内容はこうだ!!

HAPPY BANKへようこそ!!

以下の内容をすぐに実行してください。

① この説明書と名簿を15,000円で購入したらすぐに名簿の1番上に書かれた人宛に、封筒に10,000円入れて郵送して下さい。
② 次に名簿の5番目に書かれた人宛に、封筒に5,000円入れて郵送して下さい。
③ 次に名簿の1番上の人を消して、あなたの名前と住所を10番目に付け加えてください。
④ この説明書と、新しい名簿を2枚コピーして、翌日までに2人の新しい参加者に15,000円で販売して下さい。

以上を参加する全員が確実に実行すれば、10日後あなたの郵便受けは1万円札の入った封筒であふれかえるでしょう!!

うーんシンプル!!

実際にはさらに、お友達の口頭での説明が付け加えられるわけですが
④で、2人の新しいお友達に15,000円で販売した時点で、15,000円×2で、最初に払った3万円は戻ってくるということ
「うーむ確かにすぐ戻ってくるので損はしない気が…」

そして、自分が販売した新しいお友達は、2人ともろくちゃんの名前が10番目に書かれた名簿を持っていることになります。(ちなみに最初にろくちゃんに売ったお友達はこの時点でろくちゃんの上の名簿順位第9位になっていますぜ!!)

ろくちゃんが売った新しいお友達2人も、それぞれが同じように1番上の人を消して自分の名前を10番目に付け加え、さらに別のお友達に2人ずつ販売するはずですのでそうすれば2人×2人で、ろくちゃんの名前が9番目の名簿が4枚になりますね!!

その4人のお友達のお友達はさらに同じように1番上の人を消して自分の名前を10番目に付け加えるのでろくちゃんの名前が8番目の名簿が8枚、その次は7番目の名簿が16枚6番目の名簿が32枚…と、倍々で増えていきます!!
「おっと…なんだか香ばしいにおいがしてきましたぜ!!」

そうです、ろくちゃんの住所・氏名が名簿の5番目になった時点で64枚になっているんです!!

ということは…!!
説明書の②番目のルール「名簿の5番目に書かれた人宛に5,000円郵送して下さい」が実行されると…
64人から5,000円送られてくるーーーーー!!
これか30万円!!!!!!

もうおわかりでしょう!!
ろくちゃんの名前が名簿4番目になった時点で128枚ろくちゃんの名前が名簿3番目になった時点で256枚ろくちゃんの名前が名簿2番目になった時点で512枚と倍々に増えて…

ろくちゃんの名前が1番上になったとき、その名簿は1,024枚になっているんです!!

つまり、1,024人から1万円が郵送されてくるっちゅうことです!!

すごい画期的で全員win-winなシステムに思えますがこれ完全にアウトなんです!!

まずもって現金を封筒で送っている時点で郵便法違反でアウト!!

まあ仮に書留で送るにしても、数年後にインターネットが普及してから出てきたEメールと銀行振り込みを用いた類似のシステムにしても、日本では「無限連鎖講の防止に関する法律」で禁止された完全アウトな犯罪なんです。

地球上の人口が有限である以上、いずれ破たんするシステムということが分かっているのに、全員が儲かるように謳う詐欺なんですね。

例えば2倍ずつしか増えないハッピーバンクですら、わずか27回転目で日本の総人口を上回ってしまいます。
上の1,024の続きで計算すると…
1,024×2=2,048
2,048×2=4,096
4,096×2=8,192
8,192×2=16,384
16,384×2=32,768
32,768×2=65,536
65,536×2=131,072
131,072×2=262,144 (この時点で参加した人はすでに名簿の1位までいかない、つまりここ以降全員被害者)
262,144×2=524,288
524,288×2=1,048,576
1,048,576×2=2,097,152
2,097,152×2=4,194,304
4,194,304×2=8,388,608
8,388,608×2=16,777,216
16,777,216×2=33,554,432
33,554,432×2=67,108,864
67,108,864×2=134,217,728 (ここで日本の総人口1億3,000万人弱を上回る、総人口て0歳からお年寄りまで全年齢の人口ですからね!!)

5人とか10人に紹介するシステムや、無限に紹介できるシステムもあったりで一瞬で破たんするようなシステムもありましたよ!!

さらには現金送らずに名簿だけ更新して販売する奴も出てくるし、基本的に騙された奴が馬鹿を見る詐欺なんで、システムとしては成立してなんですね!!

ハッピーバンクは、無限連鎖講そのものというか、原始的でものすごくわかりやすい詐欺ですが、商品販売をからめたり、本部なんかを通じてボーナスという名目で金銭のやり取りを行ったりしてわかりにくくしているシステムもあるので注意が必要でっせ!!

で、今さらなぜこんなハッピーバンクの記事なんて書くのでしょう?

冒頭で述べたとおり後輩に聞かれて説明というのもありますが、実はもうひとつ理由がありましてここのところコンテンツの中心としているビットコインなんですけどこれに関してまたちょっと無限連鎖講と絡めた記事でも書こうかと思っておるわけです。

ビットコインは有限ですけどね!!
書くかもしれないし書かないかもしれないです…

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ろくちゃん

rockch.com管理人のろくちゃんです。 歯に衣着せぬ物言いですが、正直者と解釈していただけると幸いです。

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Posted by ろくちゃん