【小説レビュー】陰日向に咲く[著者:劇団ひとり 幻冬舎]

2014年1月19日

nanamiでし。

映画化され、一気に注目されることになった
劇団ひとりの処女作
短編集なんだけど、なかなか作りこまれた内容に仕上がっているのー。

以下ネタバレありなのー。

「道草」「拝啓、僕のアイドル様」「ピンボケな私」「Over run」「鳴き砂を歩く犬」
の5作品が収録された短編集。
ご存知の通り、芸人・劇団ひとり著書なので、ところどころ「ん…?」とひっかかるところもあるけど、それぞれのストーリーは上手だと思うのー。
5作品通して、同じ人(モーゼ)がちょこっと登場して、え?こんなところで出てくるの?と思わせてくれたりひとつ前の作品に登場してくるちょい役の人(例えば、インターネットの掲示板に書き込みをした女性…など、そんな程度)が後の作品の重要な人物だったり、キーマンだったり…
よくある手法といえば、よくある手法なんだけど、繋げ方がとにかく斬新!

全作品を紹介したいけど、多いので…1番すきな作品を。
nanamiが1番すきな作品は「ピンボケな私
残念ながら、映画化はされず…1番よかったのにー。
主人公は人に自慢できるようなことがない20歳のフリーター女性。
ある日の飲み会でまわりの友達が嬉々と将来の夢を語り、自分だけ何も考えていないことに焦り、とっさの嘘で「カメラマンになりたい」と言ってしまうことからストーリーは始まるのー。
主人公の高校からの親友ミキも初めて聞かされる将来の夢にビックリしながらも、特に気にしていない様子。
そしてある日、ミキの大学の友達との飲み会で出会った完璧な男・タクミと恋に落ちる。
映画のような劇的な恋に主人公は夢中になっていくが、ある時遊ばれていると気付く…

実はミキと呼ばれる親友が「三木くん」
単純なサプライズだけど、ラストにきゅんっ!とすること間違いなしなのー。
これだけでは伝えきれないので、ぜひ読んでいただきたいでし。
映画ではなく、小説から入るのをおすすめするのー!

陰日向に咲く「ピンボケな私」
キュンキュン度★★★★★

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Posted by nanami