【小説レビュー】夜行観覧車[著者:湊かなえ 双葉社]
nanamiでし。
2010年に単行本化され、2013年1月にTBS系でテレビドラマ化された
湊かなえのミステリー小説。
以下ネタバレありなのー。
nanamiは小説を読んでからテレビドラマを観たんだけど小説とテレビドラマでは伝えたいことが全く違うように感じたのー。
高級住宅地「ひばりヶ丘」に住む、エリート一家の父(高橋弘幸)が何者かに殺害される。
ドラマでは登場人物全員が容疑者のような雰囲気で物語は進行していき「誰が殺したのか」的要素を多く含むのに対して、小説では犯人探しではなく「殺した動機は何なのか」というところが重点的に描かれている。
この殺人には黒幕も、何も存在せず、高橋弘幸を殺害したのは妻の淳子なのー。最初から最後までぶれることなく、淳子が容疑者であり、犯人。
淳子は、高橋弘幸の後妻であり、長男は前妻との子でエリート医大生。
次男は自分と高橋弘幸との子であるけど、エリートではない。
必死に自分の実子も医大生にしよう!と思っていたのに高橋弘幸から「医者にしなくてもいいじゃないか…」と言われ、淳子は高橋弘幸が次男を見捨てた…と思いこみ、殺してしまった。
淳子が犯行を自供し、残された兄弟(長男・次男・長女)は結束を固め週刊誌インタビューに対して「父親が母親に暴力を振るっていた」という嘘の証言をし、母・高橋淳子の情状酌量を訴えるのー。
動機が何であれ、父・高橋弘幸はもういないので、父には悪者になってもらうことにする。
母・淳子を守るため、そして残された自分たちを守るために。
これがこの作品の結末なのー。
湊かなえの小説を読んだのは「告白」から2作目なんだけど章ごとに語り手が変わるのがこの人の書き方なのか物語の進行の仕方や展開方法が同じに感じたのー。
でも、続きが気になる…!ということに変わりはないので今回も飽きることなく、すぐに読んでしまうくらいおもしろかったのー。
ドラマと小説とでは、感じ方も全く違うので、ドラマを観て結末を知っていてもぜひ、小説で改めてこの物語の真実を知ってもらいたいでし。
満足度★★★☆☆
nanami
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