【小説レビュー】チルドレン[著者:伊坂幸太郎 講談社]

nanamiでし。


伊坂幸太郎著の短編小説集。
伊坂幸太郎本人が、短編集のフリをした長編小説と言っているように、全作品に憎めないキャラクターの陣内が登場する。
作品ごとに語り手が異なっているのー。この手の作品が大好物のnanami。実は長編です…っていうの、すき。
2006年にテレビドラマ化もされている作品でし。

以下、ネタバレありありなのー。

「バンク」「チルドレン」「レトリバー」「チルドレンⅡ」「イン」の5作品が収録された短編集。

いつもめんどくさい問題を起こす、問題男「陣内」。その陣内のめんどくささが全面に出ているのがこの小説の最初の作品、「バンク」。
ひょんなことから、大学同級生の陣内と鴨居は銀行強盗事件の人質になってしまう。そして同じく人質になっている盲目の青年・永瀬。
銀行で働く銀行員たちもみんな人質になっている。
盲目の青年・陣内は銀行内の状況を聞き出すため、鴨居をトイレへ連れ出した後、この銀行強盗事件は銀行員も共犯ではないのか?!と推測する。
そして自分の推測を鴨居に聞かせる。半信半疑ながらもその推測が正しいのではないかと思い始める鴨居。
永瀬の推測を証明するものは何ひとつなく、やがて人質から解放され、警察官へ話しても誰も信じてくれない。
結局最後まで真実は明らかにされないままだけど、最後まで飽きることなく読むことができるのー!
陣内と鴨居の掛け合いがおもしろくて、この短編小説集の最初にふさわしい作品になっているのー!

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Posted by nanami