不動産を無料や低額で譲り受けた時に自分で登記申請する方法【備忘録】

少子高齢化が進む日本では空き家問題が深刻化しておりますが、一方でそういった空き家を仕入れてリフォームして賃貸に出す不動産投資を実践している方も多いです。

かくいうわたくしも戸建て不動産を7件所有しておりまして、入居者様から家賃収入を頂いております兼業大家でございます。

で、今回は知人から使い道のない狭小土地を譲っていただけることになりまして、いつもは司法書士の先生にお願いしているところを勉強がてら自分で登記申請してみました。

過去、自宅のローン返済が終わったとき根抵当権を抹消する登記申請をやったことがあるんですけどこういうのって頻繁にあることではないので備忘録も兼ねて記事にしておきやす!!

では早速レッツ自分で登記申請!!

今回のパターンは個人間同士の名義変更で
・信用できる知人(血縁関係ではない赤の他人)から土地を譲ってもらう
・「贈与」を理由に所有権移転登記申請をする
・譲り受ける側が登記申請する
という条件でーす。

無料の譲渡ではなく売買の場合でも謝礼程度の少額の売買なら「贈与」を理由にしておいたほうが譲る側にとってはよいと思います。(譲渡所得税など)
ちなみに双方の合意があって書類さえそろっていれば赤の他人でも不動産の贈与はできます。(110万円以上の価値がある不動産なら譲られた側に贈与税がかかります)

用意するもの

「譲る側」と「譲られる側」の表現が書類によって違いますが
・贈与者=義務者=委任者=譲る側
・受贈者=権利者=代理人=譲られる側
とお考えくだされ。

①対象の不動産の登記済権利証(登記識別情報)[譲る側が用意する]
いわゆる権利証というやつです。
昔ながらの薄い油紙みたいな紙にタイプライターみたいなんで印字してあるやつとか、もっと古いのやと達筆な毛筆で書いてあるタイプとかいろいろあります。
2000年代中盤以降は「登記識別情報」っていうシールをはがすと数字とアルファベットの組み合わせが記載してあるタイプに代わってます。

②対象の不動産の評価証明[市区町村役場で発行してもらえる]
市区町村役場の窓口で200円ぐらい。(市区町村によって異なる)
不動産の持ち主本人が行けば発行してもらえますが持ち主以外が行く場合委任状が必要です。
委任状のひな形はネットで検索すればありますがこれを印刷して使えば大丈夫かと思います。

③印鑑登録証明書(譲る側)[市区町村役場で発行してもらえる]
市区町村役場の窓口で300円ぐらい。(市区町村によって異なる)
いわゆる印鑑証明書というやつです。
発行後3か月以内のものが必要です。
印鑑登録証(印鑑登録カード)を持っていけば本人でなくても発行してもらえます。
機械で発行するタイプはカードと暗証番号が必要な場合あり。
譲る側の方も積極的に協力してくれるなら①と併せて②、③も本人に用意してもらった方が助かります。

④住民票の写し(譲られる側)[市区町村役場で発行してもらえる]
市区町村役場の窓口で200円ぐらい。(市区町村によって異なる)
本人が行けば発行してもらえますが本人以外が行く場合委任状が必要。
ちなみに発行後の期限の定めはありませんが、身分証明書と住所が同じでないとだめです。
委任状のひな形はネットで検索すればありますが市区町村役場にある住民票交付申請書の裏側が委任状になっていたりすることも多いのでそれを利用してもOKです。

⑤登記申請書[Wordなどで作成orひな形に手書き入力]
法務局サイト内の不動産登記の申請書様式でダウンロードできるWordのテンプレートを使うと楽です。
記載例はこちらです。
「課税価格」の金額は②の評価証明に記載してある課税標準額を1,000円未満切り捨てて記載します。
「登録免許税」の金額は課税価格の2%を100円未満切り捨てて記載します。
(登録免許税の計算はこちら)
「課税価格」と「登録免許税」は自信がない場合法務局に申請に行ったときに登記相談で相談してから手書き記載してもOKです。

⑥贈与契約書[Wordなどで作成ひな形に手書き入力]
⑤の登記申請書の記載例の3ページ目にある「贈与契約書の例」を元に作成。
「贈与契約書の例」という文字と文末の注意事項を削除して日付や住所氏名を変更すればOKです。
贈与者(譲る側)の実印、受贈者(譲られる側)の認め印がそれぞれ押印してある必要があります。
収入印紙は貼らなくても登記はできました。

⑦委任状[Wordなどで作成ひな形に手書き入力]
⑤の登記申請書の記載例の5ページ目にある「委任状の例」を元に作成。
「委任状の例」という文字と文末の注意事項を削除して日付や住所氏名を変更すればOKです。
委任者(譲る側)の実印が押印してある必要があります。

⑧身分証明書
運転免許証など。②③④を発行してもらうときにも必要です。

⑨お金
②③④などの発行手数料のほか、法務局で「登録免許税」の納付が必要です。
⑤に記載した「登録免許税」の金額分の収入印紙を法務局で購入して申請時に添付します。
(登録免許税の計算はこちら)

⑩実印(譲る側)
⑥の贈与契約書と、⑦の委任状に譲る側の実印が押印してある必要がありますが、書類が完璧にできていてきちんと押印されていれば実印自体は持っていく必要はありません。
実印と印鑑登録証明書がセットになると悪用できてしまうので普通は借りれませんが、信頼関係がある相手であれば念のため借りて持っていくといいかもしれません。

⑪認め印(譲られる側)
⑤の登記申請書と、⑥の贈与契約書に譲られる側の印鑑が押印してある必要があります。
⑨の「登録免許税」を収入印紙で納付する際、貼付した紙と⑤の登記申請書の間に割り印が必要な場合もあるので必ず持参しましょう。
ちなみに、三文判などでも問題ありませんが、登記完了時に登記完了証を受領するために申請に使ったものと同じ印鑑が必要になるのでどの印鑑を使ったか必ず覚えておきましょう。

申請の流れ

上記準備物が用意できていればあとは法務局に行くだけ。
できれば対象の不動産を管轄する法務局の登記相談を予約してから行きましょう。
無料で書類に不備がないか事前チェックしてくれます。
各法務局の登記相談の予約電話番号は
こちらで調べられます。
書類に不備がなければ法務局の窓口に提出して所有権移転の登記申請は無事完了です!!

ちなみに申請が完了しただけでこの時点ではまだ所有権移転登記は完了していませんのでご注意を…

登記相談で事前チェックしてもらっていればまず大丈夫かとは思いますが、相談なしでいきなり提出もできるので、書類に欠陥があった場合は法務局から「補正」しに来るよう連絡が入ることがあります。

書類に不備がなければ1~2週間後以降に登記完了証を受領しに行くことになります。
おおよその日付を受付窓口で教えてもらえるのでそれ以降に登記完了証を受領して無事完了です!!
登記完了証を受領しに行く時は登記申請に使用した「譲られる側の認め印」を必ず持っていくように!!

ちなみに司法書士の先生に依頼した場合、住民票や印鑑証明、評価証明を自分で用意しても3~5万ぐらいの手数料は必要ですよっと!!

以上!!

おつかれさまでした!!

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ろくちゃん

rockch.com管理人のろくちゃんです。 歯に衣着せぬ物言いですが、正直者と解釈していただけると幸いです。